Punch Club - 前半はよくできているんだ

 ちょっと前に終えたPunch Clubのレビューです。特に自分で選んで購入したわけではなく、Humble Bundleに入っていたのがプレイした理由です。正直なところ、ドット調のデザインはあまり得意ではないので、どうかなと思ったのですが、以外に"前半"はよかったです。

 一見したところ格闘ゲームのように見えるけど、実際は、育成ゲームです。格闘シーンは、どう行ったスキル(パンチ、ブロック等)を使うかと、戦略(スピード中心、スタミナ重視等)を選んだら、あとは完全に自動です。

 最初は、この方式でおもしろいのか?と疑問を感じたのですが、やってみると、このおかげで、他のことをしながらのんびりプレイできます。自分の場合、主に食事をしながら、ポチポチとプレイするという感じでした。(逆に、このゲームを数時間、真剣にプレイするというのは、時間を無駄にしている感から難しいと思います)

 育成ゲームとしては、特筆すべき点があるわけではないですが、基本はしっかり抑えています。つまり、何かを上げるためには、何かを犠牲にしなければならない。そして、その犠牲にしたものを上げる方法があるが、それは他の何かを犠牲にするという循環ができており、その循環の中で、最大効率の方法を見つけるという点です。

 一例としては、トレーニングするとお腹が減る。それを回復するため食事を取る。でも、食事にはお金がかかる。お金を得るにはバイトをする。でもバイトをすると、体が鈍り、トレーニングで鍛えた分が失われる、という循環です。このため、プレーヤーは、効率の良いトレーニング、食事、バイトの方法を探索するわけです。Sim CityCivilizationなどの育成要素のあるゲームでは、よくある仕組みです。

 少しずつだけど、プレーヤーのレベルが上がっていき、だんだんとランクが上がっていくのが楽しくなり、ついついちまちまと進めてしまうというゲームです。

 ストーリーは、父親を殺した犯人を探し出すというものですが、まあ、そんなに重要な位置を占めている感じはしませんが、一応あります。

 

 で、ここからが問題の後半ですが、困ったことに、この同じ作業が最後まで続きます。特に、スキル(パンチやブロックの種類)がいろいろと取れるので、その組み合わせで、いろいろな戦略が立てられそうで、それができないのです。原因は、格闘中の体力(エネルギー)が少なめに設定されており、結果として、エネルギーを回復するターンスキップというスキルに、ブロック/回避スキルを3つ、そして、戦闘スキルを一つという構成以外に選択の余地がありません。戦闘スキルを2つとか選ぶと、2ラウンド目には体力がなくなり、敵のパンチを受けると、即、ダウンで大ダメージをくらいます。(逆に、敵もこの問題を持っているので、体力を奪うようにするのが楽な方法です)

 格闘シーンでは、ラウンドごとにどのスキル、戦略を使うかを選択できるようになっているのですが、この問題のため、変更することの意味がなくなっています。

  いっそのこと、後半は、レベルは最大値に達して上げられないようにして、その代わりに、最適なスキルの組み合わせを探索するというようにゲームのスタイルが変われば、最後まで面白いゲームだと思うのですが。とにかく、後半は完全に作業になり、つらいの一言です。

 総評は、これをそれなりのPCゲームと扱うのか、iOS版もあるのでスマホのひまつぶしゲームと扱うのかでだいぶ変わってきますが、ひまつぶしゲームとするならば7/10ぐらいはあげてもよいのではないかと思います。

 

長所:

  • 育成ゲームとしての基本は抑えている

短所:

  • 後半も前半と同じ作業の繰り返しとなっている
  • 取得したスキルが有効に使えない